出典:UnsplashのManuel Torres Garciaが撮影した写真
ボジョレー・ヌーボーといえば、色で言うと赤です。
ワインには、赤の他に白とロゼがありますが、残念ながらボジョレー・ヌーボーには赤とロゼしかありません。
時々、白のボジョレーヌーボーが欲しいとおっしゃるお客様がおられます。
中には
「去年、白のボジョレーヌーボー飲んだ」
と言う声もあります。
そう言われると、“白のボジョレー・ヌーボー”の正体が気になりませんか?
今回は、ボジョレー・ヌーボーには赤しかない理由や謎の“白のボジョレー・ヌーボー”を探ってみましょう。
ボジョレーヌーボーに白はない理由
ボジョレー・ヌーボーにはどうして白がないのでしょうか。
実は、ボジョレー・ヌーボー と名乗るためには以下の規定があるのです。
・ブルゴーニュ・ボジョレー地区で栽培されたぶどう、ガメイ種のみ使用
・ぶどうは、その年に収穫されたもののみを使用
ブルゴーニュ・ボジョレー地区で栽培される黒ぶどうのガメイ種を100%使用しなければなりません。
また、ボジョレー地区で造るぶどうが、ほぼ黒ぶどうのガメイ種。
白ぶどうも作りますが、多くありません。
ガメイ種は赤ワイン用の黒ぶどうなので、ロゼワインは造っても、白ワインのボジョレー・ヌーボーは造っていないということです。
ボジョレーヌーボーの白と間違えられたワインの正体は?
「ボジョレー・ヌーボー の白を飲んだ」
ボジョレー・ヌーボー に白ワインは存在しないのにこれはどういうことなのでしょうか。
この謎のワインとは?
それは...
マコン・ヴィラージュ・ヌーボー
でした。
毎年、同じ商品を販売しているので、ボジョレー・ヌーボーと一緒にマコン・ヴィラージュ・ヌーボーも販売していました。
そこで、お客様にマコン・ヴィラージュ・ヌーボーを案内すると、「このワインだ!」と、なった訳です。
ちょうど、ボジョレーヌーボーの解禁と同じ日、11月の第三木曜日に解禁される新酒の白ワインです。
ブルゴーニュ・ボジョレー地区のすぐ北側に位置したマコネ地区。
マコネ地区の特定の村で収穫した白ワインの原料、シャルドネ種を使用して造られた新酒で、その白ワインのみが、マコン・ヴィラージュ・ヌーボーと乗ることができます。
ワインの特徴は、黄味がかった色で、甘みと酸味が調和したフレッシュな味わいになっています。
マコンのシャルドネ種の特徴
・グレープフルーツのような柑橘系の香り
・果実味豊かなワインに仕上がる
・熟成させるとまろやかでありながら複雑な深い味わいのワインになる
販売の際には、白のボジョレー・ヌーボーではない説明をしますが、店頭にボジョレー・ヌーボーと同じ並びで販売されていたので、毎回、勘違いされる方がいらっしゃるのでしょう。
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ボジョレーヌーボーに白ワインがないのはなぜ?のまとめ
ボジョレー・ヌーボーの白はありませんが、白ワインの新酒は同じ時期に解禁されますので、ご興味のある方は、ぜひ、試していただきたいと思います。
マコン・ヴィラージュ・ヌーボーのぶどうのシャルドネ種は、世界で一番生産料が多いぶどう品種であり、土地によって様々に味や印象を変えます。
個人的には、通常のシャルドネ種の白ワインは、酸味もありながら、少しべっこう飴のような甘ったるい感じが残る印象がありましたが、マコン・ヴィラージュ・ヌーボーはとてもスッキリした、程よい酸味の辛口ワインという印象でした。
シャルドネ種の少し甘ったるいような感じが苦手な方には、シャルドネ種のイメージが変わるきっかけになるのではないでしょうか。